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たとえ、それが嘘だとしても

a prologue

十二月の肌寒い夕暮れ時…。


誰もいない公園のベンチに僕たちは寄り添っていた。

冷えきったからだを寄せると厚手のコートを通して君のほのかなぬくもりが感じられたんだ。

乾燥した冷たい空気と共に君の髪の香りが鼻孔をくすぐる。

「ねぇ…。」

「なに…?」

「サンタクロースって、信じる…?」

「……………。」

僕は答えられなかった。

もう子供じゃないんだ。
いまさら、信じているなんて…とても言えない。

だけど、信じていないなんて言ったら、君に嫌われそうで…。

だから…答えられなかったんだ。

でも…。

今なら、答えられるかもしれない。


寒いはずだ。

いつもの年より早い雪が、音も無くちらちらと舞っていた。


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