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君のヒトミに映るセカイ.

新入生歓迎会。

水色のパステルカラーのカーテン越しに、朝の暖かい陽光がほの暗い室内を照らす。


カーテンの隙間から差す陽射しは、まるで狙ったかのように俺の顔を照らし、早く起きろと急かしているようで邪魔くさい。



眩しさに耐えかねて寝返りをうった矢先、耳許から着信を知らせる機械音が響いてきた。




「…っ、うっさぁ…」



傍らで鳴り続ける携帯を開いて見ると、相手は父さんからだった。


もう少し寝ていたいが、行動を急かすような機械音に負け、俺は渋々携帯の通話ボタンを押した。




「……はい」



「おっはよー佑介! 今日は良い天気だなぁ」



「いっ…!?」




携帯に耳を押し当てると、予想以上の大声が俺の鼓膜を揺らした。


慌てて耳から離した携帯からは、続け様に父さんの声が流れてくる。




「いやー本当に今日は良い天気だ! 絶好の入学式日和だとは思わないか?」



「父さん、煩いんだけ…」



「いや、本当にすまん。父さんも仕事が無かったら、佑介の入学式に参加したかったんだが…」



「…え、入学式?」



「ああ。今日が入学式だっただろ?」




微かに残る眠気の所為で、父さんが口惜しげに話す内容を理解するのに時間が掛かったようだ。


俺は覚醒し始めた頭で父さんの言葉を繋ぎ合わせてから、ゆっくりと言葉を紡ぐ。




「ん…ねぇ父さん、そのことだけど…」



「行けない悔しさを晴らすために、父さん今日は早起きしてなぁ。こうやって今モーニングコールを…」



「いやだから、今日入学式じゃないって」




離した携帯を再び耳に当て、誇らしげに話す父さんの声を遮るように、俺はキッパリとそう告げた。


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