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穢れた死人に安息を







絶えざる光で照らし、永遠の安息を。





彼は轟音を立てて飛び立ってゆく鉄の塊を見上げ、一人の少年のことを思い出した。
燦然とした輝きを放つ美しい魂の持ち主。飛び立つための両翼をもがれても、それでも尚、その魂は穢れのない、清らかなものだった。



ポケットに手を入れ、目当てのものを探り当てる。そっと取り出した銀の輪は陽の光を浴びて、より一層輝きを増した。







待っている。
いつまででも。
胸の内で呟いてよく晴れた青空を見上げると、先程飛び立ったばかりの飛行機と、こちらへ向かって下降してくる二機が、丁度上空で交わるところだった。



キィン……という機体が響かせる音が、やけに耳につくな。



ある春の午後。



彼はぼんやりとそんなことを思った。


















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