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the little love song-小さな恋の歌-<<One Night Magic>>

星降る夜に

「でさー、そこでヴェスパ神がずっこけてさ…!」

「…それは寒いな」


今日は休日。
久しぶりにのんびりできるので、アリルはラルバリタ邸に遊びに来ていた。


迎えに出ていたジャミルと共に居間に入れば、中から明るい話し声が聞こえて来た。


「お客さん?」

「…いや、今日は誰か来るとは聞いてないな。ラケディアが誰かと話してるんだろ」



その言葉の通り、声の主はラケディアとティニアだった。

「あ、お兄ちゃん!いらっしゃい!」

「アリルさまっ、こんにちは」

「やぁ、ティニア、ラケディア」


「おい、ラケディア。客(アリル)に何か飲み物出してやってくれ。オレの部屋に行くからよ」


「え~?今、ティニアさまと読書中だもん。ジャミルが出してあげてよ」


「…お前の兄貴だろ」



ブツブツ言いながらも、結局は自分でやる辺りどうやらジャミルは奥方さまに頭が上がらない様だ。


仕方なしに、オレンジジュースをコップに汲み、アリルに運ぶ。


「…所で、二人とも何読んでるんだ?」

「秘密ーっ」

「アリルさまにはお話できませんわ」


アリルの言葉は笑顔でスルーする二人。

「別に良いじゃねぇか、教えろよ」

「ジャミルとお兄ちゃんはお部屋に行くんでしょ?早く行きなさいよ」


「さっきから生意気なんだよ!お前はっ」

「べぇ~!」


「…ちょっと待て。コレは…!」


ジャミル夫妻が言い合いしている隙に、アリルはテーブルに置かれていた本を一冊手にとる。



「…あっ!」



女性陣が声を上げるも、時は遅し。
パラパラ、と中を流し読みする男性陣は、内容を把握するなり唖然としていた。


「おま…!何、こんな本を真っ昼間から読んでんだよ!」

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