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M=常備薬。

悪夢の目覚め

「...あんたなんか、いなければ良かった。
...産むんじゃなかった...生まれて来なければ良かった。
...いなくなればいいのに....死ねばいいのに。」





........
もういい。
わかったから、わかってるから。
....やめてくれ。
頼むから。頼むから!!



「や、やめろっ!!!!」

大声をあげて立ち上がると、周囲の視線が一斉に突き刺さる。

講義中に寝てしまっていたらしい。



「.....神耶(カミヤ)君。私の講義に何か、問題でも?」

講堂の前ではいつも口煩い教授の中村が、口元をヒクヒクと引きつらせている。



「....ぁー。スンマセン。何でもないっす。」

隣りでニヤニヤ笑っている晃司(コウジ)を憎らしく思いながら、おとなしく席に着く。


「私の講義で居眠りをし、そのうえ寝言で妨害とはいい度胸だ。
後で、私の研究室に来るように。」

先生はニヤリと意地悪な笑みを浮かべて講義を再開した。


「中村の説教は長いぞぉ。楽しみだな。」

授業が終わると晃司は笑いながら後ろから抱き付いてきた。


「ウザイ。重い。お前は無駄にデカいんだから考えろ!!」

「はいはい。唯(ユイ)はおチビチャンだもんね。」

睨みつける唯を、晃司は可愛いと頭を撫でる。


「ムカつく。子供扱いすんな!それに、標準より少し低いだけでチビじゃないし!!」

反論しても晃司はにこやかに聞き流すだけだった。

...ムカつく。



「それより、夢。何に唸されていたの?
始めは可愛らしくスヤスヤ寝てたのに。」

「可愛らしくは余計だ。何でもねぇよ。
俺、中村のとこ行くから。じゃあな。」

冗談混じりで聞いて来る晃司に、唯はでこピンを食らわせて歩いて行く。



「はぁー。ったく本気で心配だっつーのに。」

晃司は唯の背中を見つめながらボソリと呟いた。


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