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これも一つのチャンス到来

災い転じて…

「なぁ~頼むからもう降ろしてくれよ~」
「ふざけるな、あと何分歩くと思ってんだよ。灼熱のアスファルトなめんじゃねぇ」
「…スミマセン…」
恥ずかしさのあまりつい軽口を叩いてみるが、簡単にあしらわれてしまう。
自分の立場を考えると下手に出ざるを得ないので、大人しく従うしかない。

海岸沿いを歩いていたらどうしても波に当たりたくなって、制止を振り切り砂浜に出た。
調子に乗って裸足になった途端に波がサンダルをさらい、そのまま海の真ん中へと流してしまったのだ。
「俺のお気に入りがー!!」
「…もう諦めろ。今度新しいの探しに行こうぜ」

――こうして航は、おぶってってやるという大輔の申し出を断りきれずに、今に至るという訳だ。
(まぁ俺的には、役得というか棚ボタというか)
一方、どさくさ紛れに買い物の約束まで取り付けてしまった強かな彼は、

大晦日生まれの、やぎ座である。

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