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memory

―余命一年です―

医者からのその言葉に、頭の中が真っ白になった。




しんしんと降り積もる雪の中、空を見上げ、ぼぅ、と立ち尽くしていた。
親はまだ医者と話をしている。
これからのことを話さなければいけないのだろうけど、今の自分は、そんな話を冷静に聞いていられることは出来そうになかったから。
親には、待合室で待っていなさい、そう言われていたがざわめく部屋にいるよりも一人になりたかった。


“どうして自分なのか、どうして今なのか。だって、まだ、17年しか生きていないにのに”

そんな言葉がぐるぐるぐるぐると頭の中で回る。

将来の夢なんて持っていなかったけど、これから見つけていくはずだった。
まだ見つける時間は沢山あると思っていたのに。


「いちねん」


365日。
今までの自分ならば長いなぁ、なんて言葉簡単にでただろうけれど、今じゃ、状況が違う。
たった一年で、一体なにができるというのか。
夢なんて見つけても、その先にあるのは叶えることなど出来ない。
未来を思い浮かべたってそこにあるのは暗闇。
自分のすぐ目前にあるのは絶望だけだ。

そう思うと、どうしようもないくらいに叫びだしたい衝動に駆られた。
頭を掻きむしって、暴れ回って。

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