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もうひとつのシューズ

天使のメール ①

ー 9月15日の朝 ー



恵美はいつもより早く学校に着いた。

(まだ来てないといいけど・・・)
恵美は自分の教室へは入らずに、亮の教室へ向かった。

ドアのかげからそっと中を覗くと、拓がマンガを読みながらニヤニヤ笑っているのが見えた。

教室を見渡しても亮の姿は無い。
どうやら、まだ来ていない様だ。

恵美はまっすぐに拓の席へと向かった。
「拓、お早う」

恵美が声をかけると、拓はマンガから顔を上げた。
「おう、お早う。亮ならまだ来てねえぞ」

「来てない方がいいのよ。今日は拓に用があるの」
「俺に?なんだよ」

「ねえ今日さ、部活終わってからちょっと付き合ってくれない?相談が有るんだけど」

「相談?いいけど拓先生の相談料は高いぜ。
まぁ恵美だから特別料金で晩飯で許してやるよ」

「はいはい。あんまり高いのは駄目よ」恵美が笑いながら言うと、
「まじで!? 助かったー!いや、実は今日の晩飯代使い込んじゃってよ。あと12円しかねえんだよ」

「また、見事に使い切ったわね。
じゃあ今日、部活が終わったらいつものファミレス集合ね」

「わかった。いやぁ、助かったなー」
「あっ拓、この事は亮には秘密だからね」

「オッケー、晩飯のためだったら親友だって軽く裏切るぜ!」
「安い親友だなー」恵美は笑いながら自分の教室へ戻っていった。

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