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モーニングコーヒー

モーニングコーヒー

どこにでもある1杯どりのドリップ式コーヒー。
キミに意識してほしくっていれてあげたけど、毎度懲りずに勢いよくお湯を注いでは粉を溢れさせてばかり。
粉が浮かんでいるのを見て苦笑いしながらも、ありがとうって飲んでくれる優しさにまた想いが溢れる。

「せっかちになったら勿体ないよ」

そういって少しお湯を注いで砂時計を逆さまにする。

「この砂が落ちるまで蒸らすのがポイント」

粉にお湯が染み渡る。じんわり広がって、ポタポタと滴る黒い液体。
何がおもしろいのか、その様子を温かい眼差しで見つめ続ける姿に苛々しているのは秘密。

「何を焦っているのかわからないけど、こうやってキミの渇いた心に愛情が染みこんでいけるように傍にいるからね」

初めて一緒に飲んだ朝のコーヒー。

いつもより口あたりが柔らかくって、いつもよりしょっぱかったのは、それ以上に秘密の話。

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