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山下り

はちごうめ

 
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 真っ黒な太陽と、その周りを踊る、白い後光。


  辺りには小さな星が無数に明滅している。


 数ある星はゆっくりと、音もなく黒い太陽に吸い寄せられていく。それは光の筋となって周りを散らばっている。


 黒い光。


 わたしは目の前でそれを見つめている。




 後ろにあったギンガムチェックのドアがノックされて、中から女の子が出てきた。



『こんにちは。きれいなばしょだね』



 女の子はわたしに言う。



『はじめまして。ぼくはきみっていうんだ』



 じこしょうかいだよ、と女の子は言った。



『『ぼく』は『きみ』。だけど
『きみ』は『ぼく』じゃない。このいみ、わかる?』



 
女の子はわたしを見つめる。わたしも女の子を見つめる。


『いこう』


 女の子はわたしの手を取った。


 ギンガムチェックのドアを開けて、わたしと女の子は外に出た。



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