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おまえを独占[芸能人×平凡高校生]

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 めんどくさい全校集会なんて早く終われ。


 そう思ってたのは数分前。

 今は目の前の信じられない光景――うちの高校の体育館の舞台に立ち、至るところに笑顔をふりまいている人気俳優、“高屋敷 まとい”で頭がいっぱいだった。



 どうしてそんな状況になっているかといえば、遡る事数分前。

 生徒会長である紀尾先輩を筆頭に、四人の生徒会メンバーが舞台上に現れると、体育館内は瞬時にどこぞのアイドルのコンサートか。というくらい歓声に包まれた。

 スタンドマイクの前に立つのは、副会長である井上。


『黙れ』


 命令口調でそう言い放った次の瞬間、うるさかったのが嘘のように体育館内はシーン…と静まり返った。
 生徒代表として立つ集会で、そんな言い方はどうかと思うが、周りを見回せば大半が頬を染めポーッと井上を眺めている事から、なんの問題もないらしい。


 ……そんなんでいいのか。


 井上は静かになったのを確認すると、マイクを自分の後ろに控えている会長に譲ろうとして……断られている。


『あの……シノ先輩?』

『僕はいいから、和が喋りなよ』

『アホですか、仕事しろ』

『えー、和の声聞いてたい』

『そんなん後で好きなだけ聞かせて差し上げますから。マイクどうぞ』

『ホント?じゃあ、ベッドの上で聞かせて貰おうかな』

『っ……』


 マイクを通して二人のやり取りは全校生徒にだだ漏れだ。


 しばらく押し問答を繰り広げ、負けたのは井上。
 ここからではよく見えないが、疲れたようにして再びマイクの前に立った。

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