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夢幻奇憚部50~99

50.

階段を下りるとフロアーには電灯が点いていて、薄暗かった廊下も明るい。

「…良かった。みんな、無事だったんだ。」

足早に部長達が居た部屋に行くと子供達と職員の人達の姿はなく、部長と隊長だけ残っていた。

「部長!隊長!大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だ。十夜と炎馬はどうした?」

「それが…」

事の顛末を話していたら南月が入って来た。

「部長、隊長。生きてます?」

「相模か。助かったよ。」

「相模くん!イカす格好してんじゃん!君も冬コミ参加してね。」

…隊長ってば、こんな時でも冬コミのこと忘れないなんて、どんだけリキ入ってんですか?

「冬コミ?何や解らへんけど、ええですよ。それより、北条さんを医務室に運びました。特に外傷はないんやけど、体力の消耗が激しいよって、病院で点滴した方がええと思います。」

あれ、前?の南月に戻ってる。

「…そうか。凪砂、医務室に行くぞ。大碓と相模は夜、私の部屋に来てくれ。話したいことがある。」

「はい、了解です。」

2人が出て行くとまた、南月と2人きりになってしまった。

「…南月、その…大丈夫?」

「さっき霊力使い果たしたよって、しんどいけど大丈夫や。」

「じゃあ、今はOFF?」

「OFFってゆうか充電中。」

「充電が終わったら、ONになっちゃうの?」

「スイッチは切っとくから、今と変わらへんよ。」

「そっかぁ。」

「何や、ホッとした顔して、どないしたん?」

「え!?…あ、うん。ONの南月は大胆ってゆうか…遠慮なしってゆうか…苦手ってゆうか…」

「ああ~それな、俺の悪い癖や。興奮すると夢中になって、あないな低級魔に手こずってもうた。そのせいで命を危険にさらして、俺は彼氏候補失格や。今度から気を付ける。」

南月は戦い方のことを言ってるけど俺の言いたいことは違う。

「それもそうなんだけど…その…」

「ん?」

気付いてない?。だとしたら、言いずらいな。

「えっと…もぅ、しないで欲しいんだ。」

「もしかして、俺のこと嫌いになったんちゃう?」

狼狽する南月に「ち、違うよ!」と否定したら、不安そうな顔する。

…完全に忘れてるな。
どうしょう。わざわざ掘り返すのは止めたほうが…でも、また、されると困るし。
俺は目を反らし俯いた。

「…キス…したじゃん…俺に…。」

言った途端、恥ずかしくなった。

「…」

…?
返答がない?
可笑しいな?っと思って、チラッと南月を窺うと真っ赤になっていた。

えっ!?
何、この反応?
つられて俺も赤くなってしまった。

…別に減るもんやないし、キスぐらいええやんか~って、チャラく言うと思ってたのに。

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