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DOBLE WIND(銀の月編)

狭いロッカー

「止めて…!!ここから出せっ!!」

彼女は、学校の狭いロッカーに閉じ込められていた。

同じクラスメートからの嫌がらせで、今日もこっぴどい虐めを受けている…

彼女を助けるひとは誰も居ないのか?

終業のベルが鳴ったが、彼女の声は倉庫内からは、誰も気が付かなかった。

気が付くと、そのままロッカーの中で眠ってしまったらしく、夜のとばりが落ちている。

彼女の名は、周 末菜(あまね すえな)と言った。

菜の花の別名、“末摘花(スエツムハナ)”の名称から取られた名前だった。

中学二年生、男の子っぽさからか、未だにクラスメート達と打ち解けず、今もこうして毎日虐めを受けている…

虐めはだんだんとエスカレートし、彼女はもう、人を信用出来ない程になっていた。

誰も居ない資材倉庫に取り残された末菜…。

不意に、ガタンと、ロッカーの戸が開けられた。

ロッカーを開けた主と、視線が合う。

「え…?」

てっきり、人だと勘違いしていた末菜は、目の前の毛むくじゃらの狼に一瞬慌てた。

「何でこんな所に…、もしかしてお前が開けてくれた?」

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