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【3話完結☆短篇集】

温もりファイブ

 君の大きな手を何で離してしまったんだろう。

男らしい関節と仕事での傷、私の頬にあてるとすっぽりと顔を包み込む温かな手。
 離した手は今も目の前にあるけれど、意味合いが違っている。

その手は私の髪を何度も掻きあげ、頭を撫でる。そうしながら彼はじっと瞳を覗き込むと舌を絡める。

髪を梳かれ彼と見つめ合うと、まだあの頃のまま愛されているような気がして涙が込み上げてきそうだ。

広いベッドの上に向き合って座り、絡めあう舌の動きに合わせるようにお互いの性器を弄り合いながら、視線が合うと愛おしさと恥ずかしさで微笑みに混ざって快楽の声が溢れる。
彼も同じ位にこやかに見つめてくるから、堪らなくなる。
堪らないのだ。
心も体も堪らなく切なくなってしまう。

二人で話した未来を終わりにしたのは私の方で、あれから三年経った今も想いを残してるのも私だ。

「本当に好きだったよ」

二人で歩んでいた頃の話なんて出さない彼に、馬鹿げた質問をして返ってきた返事だ。
嬉しくて、悲しくて…そんな気持ちを隠したくて茶化すようにしてしまうのは、私の悪い癖だ。

「ぁ~ぅんっ…パク」

声に出してふざけながら彼の勃起したものを口に含んだ。彼は私の頭に手を添えて撫でながら笑った。

「あ~んって、子供じゃないんだからさ…おいしいか?」

「うん…だって…ンチュパッ…」

言葉を続けようとしたけれど、何を言っても意味があるなんて思えなくて続く言葉を止めた。
彼が愛しているのは現在の彼女なのだ。

「ねぇ…今だけ…ンチュ…ジュパ…私が一番好きでしょ?」

なんて意味のない、なんて面倒な質問だろうか。

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