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夜明け前にウィスキーを

ようこそ

落ち着いた音楽が流れるレコードとダークブラウンで統一したバーカウンター。
棚には姉さんが揃えた、色とりどりのリキュールとワインとウィスキー。
 
バーテンダーとしては、まだまだ未熟な俺にとって、身に余るほどのものたちばかりで。
店に来るたび、もっと早く、一人前のバーテンダーにならなくてはと思ってしまう。
 
何故なら、今の俺はバーテンダーとしての実力よりも、この見た目の方が人気で、俺としては、不甲斐ないことに尽きないのだが。
どうやら、思わず触りたくなる砂茶色のボブヘアーと愛くるしいこげ茶の瞳が、堪らなく魅力的な可愛いバーテンダーとして何故か人気が出てしまった。
 
ほんと、どうしてこうなってしまったのかと、小一時間程考えたくなるが。
どうせ考えても埒が開かないことなので。 
 
自分の未熟さ故に、こうなってしまったんだなと思いながら。
一つ、ため息をつくと。
 
チリーンと、店の扉が開く音が聞こえた。





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