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愉快犯は満月に笑う

プロローグ

これは生まれてきた罰なんだと思った。

自分は生まれてきてはいけない人間で、だからその罰を与えられているのだと思っていた。
「自分のために生きていい。」
そう手を差し伸べられるまでずっとずっと。
薬物に犯され、混沌とする意識のそこでもう諦めかけていたはずの“わたし”が叫んだのが聞こえた。
「生きてみたい」
なら手を伸ばせ、必ず俺が掴んでやるから
そう言ってわたしを無理やり死の諦観から引きずり上げたその人は未だにわたしの事を構う。
気まぐれなんだろうけど、気まぐれを起こしているうちはその人のために生きようか。それまでも人のために生かされてきたけれどその時初めてわたしはこの人のために生きてみたいと思ったのだった。

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