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愉快犯は満月に笑う

ep.1

「俺嫌なんですけど、前科持ちと手組むなんて。」
新宿は眠らない街。いつも大抵ガヤガヤとうるさい。だからスーツ姿の男がそう喚いていても誰も気にしない。だが連れだっているとなるとそうもいかないもので
「お前レジュメ読んだのか?読まなくていいって言ったのに。」
「読みますよそりゃ。訳分からない人と捜査協力するんでしょ?」
「俺の知り合いって言わなかったか?」
「それでもですよ。」
25~6の若い男が、30くらいの男に食ってかかっている。若い男の名前は木崎優人、新宿署組織犯罪対策課の若き刑事(ペーペー)。もう1人は木崎の上司、藤堂真也。2人は今とある事件の捜査協力を仰ぎに新宿署歌舞伎町を根城にする情報屋のもとを訪ねているのだ。
似たような雑居ビルが並ぶ中藤堂は勝手知ったる様子でビルのひとつにスタスタと入っていく。
「ちょっ、待ってくださいよしんさん!」
木崎も慌ててそのあとを追った。

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