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へびのおはなし

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    完結
    2020/2/11 更新
    へびのおはなし/  のこり湯
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    作品紹介

    土手できゃははと遊んでいると向こう岸のコンクリのところに見事な2匹のへびがいました。きちんととぐろを巻いたへびはピッタリとくっついて寄り添っています。種類も大きさも同じです。頭と首はシャンとして真っ直ぐ前を見据えていました。暫く見ていると左側のへびが隣のへびの方を向きました。また前を向きまた横を向きます。いてもたっても居られずわたしはへび達の所へ走りました。
    そろりと斜めのコンクリを凹みひとつ分降りました。へび達はいちばん下にいます。とっても大きいのがわかりました。また凹みをひとつ降りました。ここまでくるとハッキリとへび達の細かい模様まで見えます。双子の様に一緒でした。どうしても間近で見たい気持ちに勝てずとうとうへび達の横に並びました。噛まれたらどうしよう。しかしへびはそんな事さらさら思っていない様です。2匹のへびとひとりは一直線に並び真っ直ぐ前を見据えました。目の前を走る川と草いきれの匂いがします。なんだぁと思って下をを見ると横のへびが隣のへびにスリスリと頭を撫でつけて前を向くと舌をチロチロと出しました。それにしてもです。もう1匹はキッと前を見据えたきり。隣の子が不憫になり覗きこみました。死んでいました。テレビで観たへびのミイラでした。こんなきれいになんで死んだんでしょう。どうしてこの場所だったんでしょう。そして寄り添うこの子は知っているんでしょうか?また隣の子がチロチロと横を向きました。舌先がミイラの子に当たります。そして前を向きました。ここに居てはいけないと思いました。コンクリを駆け上がると走りました。あそこは2人の場所なのでした。
    死んでるの知ってるんだろうか? でも
    きっとあの子には関係ない。あれがあの子の当たり前なのだ。頬をすり寄せた時の伏し目がちな黒い瞳が忘れられません。元来た場所に戻り、消えてしまったんじゃないかと振り返るとガッチリ2匹はそこに居てカチカチの子に負けじとあの子はますます胸を張りました。
    あとで知った言葉、白昼夢とゆうやつではありませんでした。そこから家までズルズルと気持ちの尻尾を引きずって帰りました。
    次の日学校から帰ると遊びの誘いを「あとで!」と一旦置いて土手に走りました。ハァハァと膝に手をついて見上げると向かいのコンクリに2匹はいませんでした。あの子は分かるとしてカチカチの子はどうしたんだろう?
    ふと頭の中にあの子がカチカチの首根っこに噛み付くとするする川に入っていく姿が浮かびました。それはとてもあの子らしいととてもおかしくなりました。きっとまたどこかで並んで胸を張っているのでしょう。


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